御台本

御台本 - Written by oda

唇のキスからはじめて
【登場人物】 【●性別】 【登場人物の概要】
葉月 女性 葉月(はづき)。女性。
和斗 男性 和斗(かずと)。男性。

あらすじ

夜の遅い時間に、バーのカウンターで女性が独り。大人の恋のはじまり?

唇のキスからはじめて


○女性(葉月)がバーのカウンター席に一人座っている
葉月:マスター、やっぱり、おかわり。
和斗:(隣の席に近づく)
和斗:マスター、オレも、ついでに同じの。
和斗:隣あいてる?よね?
葉月:……。
和斗:ねぇ、お姉さん?
和斗:なに飲んでんの?
葉月:……。
和斗:なんてね。
和斗:あ、でも、俺も同じの頼んだから、
和斗:来ればわかる。ってか?
葉月:……。
和斗:お、マスター、ありがと。
和斗:なぁんだ、同じの飲んでたんじゃん。
和斗:渋いね。
和斗:ここ、座って良い?
葉月:……。
和斗:まぁ、約束の時間に来ませんでした。ってか?
和斗:お邪魔します(座って)よっと。
和斗:そりゃぁね、2時間半も待たせたら、
和斗:ロックで4つ目いきますよね。
和斗:だいじょぶ?
和斗:4つ目あけたら、
和斗:さすがにできあがっちゃうんじゃないの?
和斗:約束の時間に遅れてくるほうも
和斗:遅れてくるほうで、悪いけどさ、
和斗:来てみたら、
和斗:彼女さんが先にもうできあがっちゃってたら、
和斗:それはそれで、笑えないんじゃね?
葉月:なんなの。
和斗:あー、笑うしかないか?ね?
葉月:…。
和斗:どうする?帰る?
和斗:それとも、一緒に呑む?
葉月:……(にらむ)
葉月:……(ため息)
和斗:あーあ、今の目よかったのになぁ。
葉月:……(にらむ)
和斗:そう、それ。
和斗:好き。
葉月:……(ため息)、だぁかぁらぁ、
葉月:なんなんですか?
和斗:いや、とくに?
葉月:は?
和斗:タイプの女性が、
和斗:独りで呑んでるのを、
和斗:ほっとけなかっただけだけど?
葉月:……どいつもこいつも、サイテー。
和斗:えー、
葉月:えーってなによ?
和斗:一緒にしないで欲しいな、
和斗:約束破ったソレと。
葉月:……。
和斗:で?
和斗:どこが嫌いなの?ソレの?
和斗:吐いちゃいなよ、
和斗:俺は利害関係無いんだし、まだ?
葉月:約束破るし、
葉月:遅刻するし、
葉月:遅刻するって連絡もないし、
葉月:自分勝手だし、
葉月:気分屋だし、
葉月:気遣いできないし、
葉月:何考えてるかわかんないし、
和斗:ふ~ん。
和斗:じゃあ、逆に、
和斗:どこが良いわけ?
和斗:気持ちイイの?
葉月:は?
和斗:ごめんごめん。
葉月:知らない。
和斗:じゃあ、待つ必要ないじゃん。
葉月:そうかもね。
和斗:でも、待ってる。
葉月:そーね。
和斗:だったらさー、
和斗:もっと自慢してよ。
葉月:なんで?
和斗:俺が暇だから。
葉月:ヒトを暇つぶしに使わないでください。
和斗:安心して、もし、ソレが来たら、
和斗:知らないふりして立ち去るから。
和斗:どこがイイの?
葉月:……顔。
和斗:俺とどっち?
葉月:は?
和斗:どっち?
葉月:……べつに。
和斗:ふ~ん。
和斗:それだけ?
葉月:それだけじゃないけど。
和斗:じゃあ、次、
葉月:今、思いつかない。
和斗:じゃあ、無いんだ。
葉月:そうじゃないけど。
和斗:無いんじゃん?いいとこ。
葉月:今、イライラしてるの。
葉月:わかってんでしょ?
和斗:わかってるよ?
和斗:だから、つけこんでんじゃん?
葉月:は?
和斗:女の子口説くのにさ、
和斗:ハートマークいっぱい飛んでて、
和斗:ハッピーなところ行っても、
和斗:ダメでしょ?
葉月:……まぁ、そうね。
和斗:ほら、追い返しなよ?
和斗:遅刻魔イケメンのいいとこ教えてよ?
和斗:ほら、ほら?
葉月:笑顔、とか?
和斗:はい。
葉月:なんだかんだ
葉月:笑顔にしてくれるところ、とか?
和斗:俺にもできるよ?
葉月:なんだろうねぇ。
和斗:ほらほら?
和斗:好きなんでしょ?
和斗:好きだから待ってるんでしょ?
葉月:うるさいなぁ。
和斗:ほらほら、
和斗:どこがいいの?
葉月:そうね、なんだろう。
葉月:不器用だけど……、
葉月:ほっとけない感じ。
和斗:もっとあるよね?
和斗:待てる相手なんでしょ?
和斗:4時間も。
葉月:まだ2時間。
和斗:2時間半ね。
葉月:(ため息)
葉月:あなたって、いつもこうやって
葉月:声かけてるんでしょ?どうせ。
和斗:俺は一途だよ?
葉月:嘘つけ。
和斗:生まれて初めてナンパした。
葉月:バカじゃないの。
和斗:どこが?
和斗:ナンパ慣れてるように見える?
葉月:とっても。
和斗:おかしいなぁ。
和斗:そんなはずじゃないけどなぁ。
葉月:慣れてる慣れてる。
和斗:例えば?
葉月:どんどんいい加減な言葉がでてくる。
和斗:それから?
葉月:自分でかっこいいと思ってる。
和斗:そうだね。
和斗:正解っ。
葉月:うざっ。
和斗:あ、それもよく言われる。
葉月:そういうところ。
和斗:そういうところって?
葉月:メンタルバグってるよね。
和斗:バグってる?
葉月:どんなメンタルしてるの?
和斗:どんなメンタル……。
和斗:う~ん、目の前の女性が、
和斗:ステキすぎるからじゃない?
和斗:夢中なんだよ、もう。
葉月:……。
和斗:自覚してないの?
和斗:とってもステキなのに?
葉月:わかった。もう、私の負け。
和斗:じゃあ、仮にね?
葉月:仮に?
和斗:今、もう別れました。
和斗:として、
葉月:仮にね。
和斗:どんな人がタイプなの?
葉月:タイプ?
和斗:付き合いたい相手のイメージ。
和斗:どんな人と出会ったら、
和斗:付き合えるの?
葉月:ん~。
葉月:どんな…ひと。
葉月:遅刻しない。
和斗:うん。
葉月:連絡がマメ。
和斗:いいよ。
葉月:約束を破らない。
和斗:うん、大丈夫。
葉月:なにが大丈夫なの?
和斗:いいから。
葉月:ん~、なんだろうね、
葉月:優しい人?
葉月:ざっくりしすぎ?
和斗:優しいよ。
葉月:とくにタイプとか無いけど、
葉月:私のことイチバンに考えてほしい、かな。
和斗:うんうん。
和斗:大丈夫。
和斗:俺、かなえられるよ。
葉月:口で言うのは簡単よね。
葉月:それに、私は、
葉月:あなたのことなにもしらない。
和斗:僕も、君のことなにもしらない。
葉月:うっざ。
和斗:そんなに褒めるなよ。
葉月:褒めてない。
和斗:何知りたいの?
和斗:俺のこと?
葉月:ちゃんと仕事してる?
和斗:してるよ。
葉月:ならいい。
和斗:ソレって、ヒモだったの?
葉月:ちがうけど。
和斗:俺はヒモにはならないよ。
葉月:じゃあ、結婚する気、ある?
和斗:あるよ。
葉月:私と。
和斗:いいよ。
葉月:はい、ウソ。
和斗:今は、思ってるよ。
葉月:今は、ね。
葉月:彼女は?
和斗:いない。
葉月:いつから?
和斗:5年付き合った彼女と、
和斗:去年分かれた。
和斗:それからはいない。
葉月:セフレは?
和斗:いないよ。
葉月:私と付き合ったら、
葉月:ナンパやめる?
和斗:しないよ。
和斗:俺と恋人になったら、
和斗:デートしてくれる?
葉月:そりゃするわよ。
和斗:明日、何時にする?
葉月:恋人になったらね。
和斗:じゃあ、恋人になったらいいじゃん。
葉月:どうして?
和斗:そっちのソレが、
和斗:まだ来ないから。
葉月:そうだけど。
和斗:ありがと、楽しかった。
葉月:……そ。
和斗:ねぇ?
葉月:なに?
和斗:最後に、ゲームしようよ。
葉月:ゲーム?
和斗:ゲーム。
葉月:なんの?
和斗:もしも、俺とつきあってもよかったら、
和斗:唇にキス。
和斗:俺じゃ、ダメなら、
和斗:ほっぺに、キスしてよ。
葉月:ヤダ。
和斗:俺はさ、
和斗:今日出逢った、君に恋したわけ。
和斗:その恋と、もう、
和斗:サヨナラしなきゃいけない。
和斗:はい。どうぞ。
葉月:目、つむってよ。
和斗:はい。
葉月:こんな遊びどこで覚えるの?
和斗:今日、思いついた。
葉月:いい加減なことばっかり。
和斗:まだ?
葉月:あのねぇ。
和斗:ずっと目閉じてたら、寝ちゃうよ。
葉月:もう…ちょっと、待ってよ。
和斗:目あけていい?
葉月:いったん、目、あけてよ。
和斗:どうしたの?
和斗:そろそろ終電無くなっちゃうかな?って。
和斗:空気読んだつもりだったんだけど?
葉月:もう、無いわよ。
和斗:そっか。
葉月:とっくに、終電なんかないの。
葉月:(ため息)
和斗:あぁ、それで、
和斗:その4杯目いったわけだ。
葉月:そうよ。
葉月:それに、彼はもう来ない。
和斗:もう?
葉月:そ。もう、終わったの。
和斗:ゲームに負けたってこと?
葉月:そ。
葉月:私の負け。
和斗:じゃあ、俺の勝ちってこと?
葉月:そっちのゲームは、
葉月:まだ始めてない。
和斗:じゃあ、始めてみる?
和斗:この、ゲーム?
葉月:あ、言い忘れてた、
葉月:もうひとつあった。
葉月:付き合いたい相手のイメージ。
和斗:なに?
葉月:私のこと、見捨てないで、
葉月:幸せにしてくれるひと。
和斗:いいよ。
葉月:こんな出会いでも、信じちゃうよ?
和斗:信じてくれていいよ?
葉月:(ため息)
葉月:唇か、ほっぺ?
和斗:そう。
葉月:目、閉じてよ。
和斗:わかった。
和斗:……。
葉月:……。
葉月:……さよなら。
葉月:(頬にキスする)
葉月:……。
和斗:……。
和斗:なんだ、ほっぺかよ。
葉月:それは、アイツの分。
和斗:え?
葉月:今日の私、どうかしてる。
葉月:(唇へ軽くキスする)
葉月:……。
和斗:まだ、迷ってる?
葉月:……はじめたいけど、
葉月:本気で、はじめてもいいの?
和斗:俺はいいよ。
葉月:じゃあ、もう一回、
葉月:お願い、目、閉じて。
葉月:……。
葉月:(もう一度唇へキス)
葉月:……。
和斗:……。
和斗:俺の勝ち?
葉月:ううん。私の勝ち。
和斗:あはは、強気。
葉月:こういうオンナ、嫌い?
和斗:好きって言ってる。
葉月:(ため息)
葉月:やっぱり恥ずかしい……。
和斗:かわいいね。
葉月:かわいくない。
和斗:かわいいよ、充分。
和斗:もっとシたくなる。
葉月:ダメ。
和斗:なんで?
葉月:だって、
和斗:なに?
葉月:私、まだ、
葉月:あなたの名前、知らない。
和斗:そんなの、始めてからでよくない?
葉月:ホント、いい加減ね。
和斗:幸せにするよ?
葉月:約束を破るような人はキライよ?
和斗:約束するよ?
葉月:あっそ、ならいいや。
和斗:もう一杯飲む?
葉月:ちょっとだけ甘いのがいい。
和斗:じゃ、俺も、同じので。

*** おわり? ***

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