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「御台本」にて、声劇用シナリオ掲載しています。もしよかったら、ご利用ください。#御台本
— koegeki.com (@koegekicom) 2023年3月26日
御台本 Written by odahttps://oda.koegeki.com
【登場人物】 | 【●性別】 | 【登場人物の概要】 |
---|---|---|
プリン | ●性別不問 | プリンです。 |
●プリン:こんにちは、プリンです。
●プリン:いろいろと紆余曲折ありまして、
●プリン:冒険の旅に出ておるわけでございます。
●プリン:街の冷蔵庫から飛び出して、
●プリン:荒野を歩いていると、
●プリン:なんだか、勇者になったような気分で、
●プリン:とても勇ましい気分で、
●プリン:カラメルの糖度も少し上がったような気分になるのです。
●プリン:え?
●プリン:ええ、ですから、プリンです。
●プリン:ほぼ卵と牛乳です。
●プリン:装備は、透明のこのスプーンと、
●プリン:工場出荷時点で充填されたこの透明なプラスチック容器。
●プリン:どんな攻撃も、どんな冷気も跳ね返します。
●プリン:ほら、キラキラしてるでしょう。
●プリン:お気に入りの6つの丸みととがったツノの透明な鎧。
●プリン:オレンジ色とはっきり見やすいロゴ。
●プリン:パッケージの裏側がシルバーで、
●プリン:ボクにとっては最高の盾、
●プリン:兼、頭用の装備といったところでしょうか。
●プリン:ボクのお気に入りです。
●プリン:賞味期限って書いてあるステータス値の特徴は、
●プリン:スピード感が優れているところです。
●プリン:ボクは、イマイチ、賞味期限の意味はわかっていませんが、
●プリン:まぁ、そうですね、悪くない設定値なんだろうと思います。
●プリン:初めて出会った敵は、コウモリによく似た空を飛ぶ魔物でした!
●プリン:「えい!あっちいけ!」
●プリン:「くるなー、やめろやめろって!」
●プリン:「爪はやめて、爪はダメだって!」
●プリン:まぁ、ボクのこの透明スプーンの一撃で、
●プリン:うろたえたコウモリのような魔物は、
●プリン:ひるんで逃げて行きました。
●プリン:そうですね、爪の攻撃にも、
●プリン:ボクの鎧は、傷ひとつつくことなく、余裕です。
●プリン:盾に少しだけ、線のようなキズが入った程度です。
●プリン:こんなキズも、冒険の勲章でしょう。
●プリン:ボクには夢があるのです!
●プリン:世界を救う勇者、
●プリン:プリン・ア・ラ・モードに俺はなる!
●プリン:細かいことを言うようですが、
●プリン:たしかに67グラム入り3点セットの彼らにも、
●プリン:勇者になれないことはない、とは思います。
●プリン:勇敢な心が有れば、成せる偉業はあるでしょう。
●プリン:けれど、やはり、ボクぐらい、
●プリン:つまりは、160グラムも入っている、
●プリン:ボクぐらいビッグなプリンでなければ、
●プリン:この困難な冒険を乗り越えていくことは、
●プリン:きっと難しいはずです。
●プリン:だからこそ、ボクは旅に出たのです。
●プリン:荒野を歩きながら、
●プリン:汗をかいて、
●プリン:鎧に土がまとわりついても、
●プリン:ボクは、夢に向かって歩いて行きます。
●プリン:その時!
●プリン:出たな!
●プリン:宿敵!
●プリン:ここで会ったが1日目、
●プリン:ほよんぽよんしやがって!
●プリン:この透明スプーンで、すくいとってみせる!
●プリン:勝負だ!スライム!!
●プリン:「いやー、ぷにぷにしてくんなー」
●プリン:「なんか、ぬるい、ぬるいって〜」
●プリン:「だから、なにがしたいんだよー」
●プリン:「もちもちすんなー、
●プリン: 跳ねるなー、
●プリン: 攻撃する気ないだろー、
●プリン: これじゃあじゃれてるだけじゃないかー!
●プリン: まとわりつくなー!」
●プリン:ボクは、必殺技を繰り出します!
●プリン:「いくぞー!ジャン拳グーーー!」
●プリン:スライムはボクの攻撃をまともにくらって、飛んでいきます!
●プリン:チョキでもなくパーでもない、
●プリン:特別なボクの必殺技です。
●プリン:生まれ故郷で習得した、
●プリン:おいしさと健康にこだわった師匠の流儀です。
●プリン:しかし!
●プリン:飛び跳ねたスライムは、岩で跳ね返って、
●プリン:ボクの攻撃そのままの勢いで反撃してきました!
●プリン:「うわーーーーーーーーーーーー」
●プリン:あまりの衝撃に、からだじゅうが揺さぶられます。
●プリン:ボクの盾に大きく亀裂が入ります。
●プリン:次の瞬間、空からコウモリの魔物が襲ってきます!
●プリン:しかも!
●プリン:ボクの盾の、OPENと書いた部分を、
●プリン:あえて引っ張るように、つかんできます!
●プリン:「やめろー!
●プリン: そこからつまんだら、あいちゃうだろー!
●プリン: フタがあいちゃうだろー!
●プリン: あ、フタって言っちゃった、
●プリン: やめろーやめろよー」
●プリン:ボクの体が空へ連れ去られます!
●プリン:地面から離れ、空高く舞い上がります!
●プリン:OPENと書いた部分から引っ張られ、
●プリン:ボクの自慢の盾が、コウモリの魔物に奪われました。
●プリン:ここからはまるでスローモーションでした。
●プリン:コウモリの魔物が、ボクの盾を大事そうに、
●プリン:うれしそうに持っているのが、見えます。
●プリン:ぼくの体は、浮力を失って、
●プリン:くるくると回転しながら、ただただ落ちて行きます。
●プリン:遠くに見える地平線がとてもきれいです。
●プリン:西側に広がる水平線に沈んでいく太陽が、輝いています。
●プリン:北にそびえる、なんていう名前だったか忘れましたが、
●プリン:一年中雪の降っているあの山脈が、美しく、偉大です。
●プリン:「あぁ、これで、終わりだな」
●プリン:そう思いました。
●プリン:真っ逆さまに、頭から落ちて行きます。
●プリン:ゆっくりと、そう、自分にとっては。
●プリン:「地面にぶつかる!」
●プリン:その時!
●プリン:宿敵スライムが、ボクを包み込んだのです!
●プリン:ボクを優しく受け止め、
●プリン:広がりながら、その衝撃を逃していく、
●プリン:まるで、大きな花が、その開花の瞬間を迎えた時のように。
●プリン:ボクは無傷でした。
●プリン:逆さまに落ちたにもかかわらず、
●プリン:揺れもせず、崩れもせず、それは奇跡でしたが、
●プリン:まるで輸送中の段ボール箱と
●プリン:安全運転の優しいトラックを思い出すような、
●プリン:そんな瞬間でした。
●プリン:「……ス、スライム、お前、俺を助けてくれたのか」
●プリン:スライムは無言でした。
●プリン:けれど、ボクを包み込んだその優しい温度は、
●プリン:周囲の気温を遮断して、なんだかほどよく冷たいのです。
●プリン:「……お前、本当は優しいスライムだったんだな」
●プリン:スライムは無言です。
●プリン:けれど、なにか、強い意志を感じます。
●プリン:愛にも似た、
●プリン:恋をしたときのような、
●プリン:憧れのスターを目の前にしたときの、
●プリン:あふれだして立ちすくむオタク心のような、
●プリン:うちに秘めた狂気が充満するような
●プリン:そんな特別な高揚感を、スライムから感じました。
●プリン:スライムが、ボクの鎧に装備された唯一の弱点を、
●プリン:透明のツノのような突起を探り当てます。
●プリン:「スライム!
●プリン: お前!それだけはやめろ!
●プリン: ダメだって!スライム!
●プリン: だめ!そこはダメなの!
●プリン: そこ!ダメだって言ってるだろ!
●プリン: それやったら!出ちゃうから!
●プリン: ダメだって!ダメだって!
●プリン: ダメなんだって!言ってるだろ!!
●プリン: ……あっ…んっ」
●プリン:プチっ!
●プリン:という音を立てて、
●プリン:鎧とボクの間に空気が流れ込んできます。
●プリン:後戻りできない何かを、感じます。
●プリン:スライムは、その体をうまく使って、
●プリン:ボクの鎧をゆっくりと持ち上げました。
●プリン:ボクは疲労困憊で動くことができません。
●プリン:荒野の風が心地良く吹き抜けます。
●プリン:ボクは敗北し、鎧を奪われ無防備でした。
●プリン:空からコウモリの魔物が超高速で降りてきます。
●プリン:ボクは、覚悟しました。
●プリン:ここで、ボクの冒険は終わりだと。
●プリン:しかし、
●プリン:コウモリの魔物は、
●プリン:真っ赤な木の実をゆっくりとボクの上に、
●プリン:トッピングしてくれました。
●プリン:スライムは、うれしそうにボクの下で平たく広がりました。
●プリン:ガラスの器のような美しさです。
●プリン:コウモリも嬉しそうです。
●プリン:スライムの思念が流れ込んできます。
●プリン:『プリン・ア・ラ・モード』
●プリン:「スライム、お前……」
●プリン:ボクの夢が叶った瞬間でした……
●プリン:じゃねぇんだよ!
●プリン:初日!
●プリン:今日1日目!
●プリン:荒野で『プリン・ア・ラ・モード』になってもしょーがねーだろ!!!
●プリン:コウモリも嬉しそうに羽ばたいています。
●プリン:スライムが嬉しそうにその体を使って、拍手しました。
●プリン:「スライム、てめぇ、やっぱりあれだろ!
●プリン: プチンってしたかっただけじゃねぇか!!」
*** おしまい ***
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